止まらないマジック業界内の種明かし論争

ちょっと旬な話題なので、個人的な見解を『意思表示』として発信しておこうと思いました。

Twitter界隈では業界(マジック)の有名人の方たちの、昨今のメディアやYouTube等での種明かしについてどう思うのか意見交換をされていました。

それがマジシャンの間では話題となっており、この尽きぬ話題に対して一人の『プロマジシャン』として見解を述べたいと思います。


結論から言うと。

『今は、種明かし自体をSNSやYouTubeやメディア等で止めることは不可能』

だと思っています。

発信の自由を手にした今の時代では、『先に発信した者勝ち』という構図になっています。

きちんと法整備されて、マジッククリエイターの創りだすマジックが『ちゃんと』知的財産権として確固たる保証がされない限りは難しいのではと思っています。

現象名をそのまま文字化して表現したとき、そのマジックがその人の財産物として法が守ってくれない限り、誰でも簡単に情報にアクセスすることが可能になった現代では(カメラのスロー再生機能などが拍車を掛けている)守ることは不可能です。

他人のマジックを勝手にSNSで種を公開しても何のお咎めも無いからです。


強いて言うならその人の『信用』が下がるだけです。

しかし、その信用も『対マジシャン』から信用が下がるだけなので軸足をマジック業界に置いてない人は特に痛くも痒くもないと思います。


だからと言って、SNSやネットにマジックの種明かしを垂れ流しにすることを見過ごしてもいいのかと言うとそこには賛成しかねます。


人と人とのコミュニケーションで最も大事なのは、その相手に対する『敬意』だと思います。


他人を見下したり、バカにしたりしている時点でコミュニケーションを取ることは出来ず話しは平行線を辿ります。

見下しやバカにする行為が少しでもあると、コミュニケーションはとれないです。

マジックにも同じことが言えます。

マジックは『先人達が、命と魂を削ってまで想像し研究し洗練させた芸術品』だと思っています。

その先人達が必死に努力を繰り返し、思考し続け苦しんだからこそ現代まで良いマジックが伝承されていると思います。


そこに一切の敬意を感じない言動や行為は、『人として終わっている』としか思えません。


何故なら『コミュニケーション』が取れないからです。

コミュニケーションが行えない人は、ロボットやゲームのNPCと同じです。

『お話しにならない』

これに尽きます。


マジックを見るお客様の態度もこれと同じで、『人をバカにしたり見下したりしている人』はそもそもマジックどうこう以前に人として機能していないのです。


そのような『コミュニケーションが取れない』相手に先人達の至高の芸術品を見てもらいたくありません。

自分で生み出したマジックも、必死に努力して習得した技術も見て欲しくありません。

というか、見るな!笑

見る権利すらないと思ってます。(あくまでも信楽個人の見解です。)



何故なら、何度も言いますが『コミュニケーション』が行えないからです。



マジックとは基本構造は、バースデーサプライズと同じです。


バースデーサプライズを誰かにされたことがある人はわかると思いますが、そもそもサプライズする相手に『バレないように』行うのが大前提です。

『これからサプライズされるかも!?』と相手に伝わってしまっているバースデーサプライズほど相手に気を遣わせてしまってツマラナイものはありませんよね。


サプライズされる側も『あ、やべ!サプライズされる!リアクションしなきゃ!』みたいな感じになります。

マジックを行う上で『種がバレない』というのは当たり前です。


そのために行う努力は当然なのです。


だから、種を秘匿にする必要があるのです。


しかし、より良いバースデーサプライズをするために『バースデーサプライズ』の専門家にお金を払ってより良い案や演出を聞くことは悪いことではありませんよね?


フラッシュモブやサプライズなどのクオリティが高ければ高いほど、相手は喜んでくれます。

(もちろん、サプライズが苦手!とか驚かされるのが嫌いという方もいるので誰も彼もにサプライズをしてはいけません。空気は読む必要があります。これはマジックも同じです。見たくもない相手に無理やりマジックは見せてはいけません。)


僕はSNSやYouTubeやメディア等での『無償の種明かし』には大反対ですが、より良いサプライズを学びたい人のために『種明かしをする』ことには大賛成です!!

もちろん、ビジネスとして金銭的な報酬を得ることも問題ないと思いますし実際マジック業界はそれで発展してきました。(経済自体は明治時代並に遅れていますが。泣)


僕は今日もより良い『サプライズ』のために日々成長してみなさまに楽しいをお届けするために努力していこうと思います。

長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。

少しでもみなさまに楽しんで頂けますように。願いをこめて。


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